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星の國

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山村暮鳥 童話集『ちるちる みちる』大正9年(1920年) より

キリスト教精神にみちた、美しくも悲しい物語、大人も考えさせられる寓話を集めた童話集で、愛娘に寝床で語り聞かせたお伽噺がもとになっているといわれています。

信仰に生き、病と貧困に苦しみながらも、社会や自己を厳しく見つめながら自分の世界観を表現し続けた人だと思います。

人生において本質的なツッコミが童話になっているような、私にとって、そんな一冊となりました。

短いお話なので、ぜひご一読ください。



作品について・・・

ひとりずつ手作りしている、てびねりの陶人形です。

素材は陶土を使用しています。

衣装の一部分には薄く透明釉を施しているので、その部分は少し光沢があります。

その他の部分は釉薬を使用していないので、表面は少しザラザラしています。



・・ご購入の際の注意点・・

・作品はすべて素焼き(800℃)、本焼き(1250℃)と灯油窯で焼成しています。

・地域によって配送料金が異なります。

・ご購入前に作品の「サイズ」や「素材」を十分にご確認頂きますようお願い致します。

・画面上と実物では色が異なって見える場合があります。ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。

・この作品は、他のサイト、イベントや展示会でも販売することもありますので、ご注文いただいた時点で在庫切れとなってしまっていることもあります。
販売済み作品はできるだけ速やかに表示切替するように心がけますが、その時はどうぞご了承ください。

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星の國(ほしのくに)


     作/山村募鳥

 山の中に古池がありました。そこに蛙(かへる)の一族が何不自由なく暮らして、住んでをりました。
 あるとき木菟(みゝずく)が水をのみにきて、その蛙の一ぴきに逢ひました。
「やあ、しばらくだね、蛙君」
「木菟さんか、何處(どこ)へ行つてゐたんです」
「あんまり一つ所も飽きたんで、あれから方々、飛び廻つてきたよ」
「へえ」
「何かおもしろい話でもないかい」
「それは俺(わし)の方からいふ言葉でさあ。こうして此處(こゝ)で生れて此處でまた死ぬ俺等(わしら)です。一つ旅の土産はなしでもきかせてくれませんか」
「とりわけてこれと云(い)ふ……何處もみんな同じですがね。……だが、あの星の國(くに)へあそびに行つて、宵のうつくしい明星樣(めうじやうさま)にもてなされたのだけは、おらが一生一代の光榮(くわうえい)さ」
 と、蛙がそれを遮(さへぎ)つて
「俺(わし)がいくら世間見ずだと言つて、出鱈目(でたらめ)はごめんですよ」
「何が出鱈目だい」
「何がつて、あんたにや水潜(みづもぐ)りはできめえ。星の國はね。此の池の水底(みづそこ)にあるんですぜ」
「え」
「それでも嘘でねえと云ふんですか」
 すると木菟が
「蛙君、きみはまあ何をゆつてるんだ。星の國は、こうした樹の上の、そのもつと高いたかあいところにある天空(そら)なんだよ」
「そんなら二つあるのかね」
「二つなもんか、その天空にあるツきりさ」
「そんなことがあつてたまるもんか」
「馬鹿だなあ」
「どつちが」
 どつちもその所信(しよしん)を棄てません。そのうちに、とつぷりと日がくれて、月がでました。星もでました。
 蛙が口惜しがつて
「あれ、あれが何よりの證據(しやうこ)じやないか、みたまへ。水の底を……」
 木菟が
「なるほどな。けれど上をごらん、あれは何んだい」
「おお」と蛙はおどろきました。
 なんだか急に池の中がさわがしくなりました。魚類(さかなたち)がいつもの舞踏(ダンス)をはじめたのです。それをみると、もう飛立つばかりにうれしくなり、何もかもすつかり忘れて
 木菟が
「ほう、ほう、ほろすけほ」
 蛙も
「がちがちがちがち」

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